K-CORR:防錆剤
K-CORR 100シリーズ:無灰錆止め
K-CORR 100シリーズは、特殊なアミノ酸誘導体ベースで、幅広い工業用潤滑油や機能性液体に効果があり、低添加量での優れた錆防止に加え、様々な性能優位性を提供します。
- FZGテストにおける中性作用
- 優れた加水分解安定性
- 良好な抗乳化度および水分離
- 選択した極圧剤(EP/AW添加剤)の耐摩耗相乗作用
耐摩耗剤と防錆剤は、基材上で場所を争うため通常相反する存在となっています。
特殊な防錆剤K-CORR 100シリーズは、燐酸エステル、硫化オレフィン、トリフェニールホスホロチオネート(TPPT)、無灰ジアルキルジチオカーバメートなど、様々な極圧剤(EP/AW剤)と相乗します。
- 酸化安定性の強化
- 生分解性:CEC-L-33-A-93 >90% OECD 301B >50%(修正スチュルム)
K-CORR 1031とNA-LUBE ADTCの相乗効果
ISO VG 32パラフィン油に、K-CORR 1031と極圧剤NA-LUBE ADTC(無灰ジアルキルジチオカーバメート)を、様々な添加量で添加した場合の耐摩耗相乗作用を表しています。
テスト | 添加剤無 | G-1086A 1% |
添加剤無 | G-1086A 3% |
添加剤無 | G-1086A 3% |
G-1086A 4% |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ベースグリース | リチウム 12-ヒドロキシステアリン酸(NLGI Number 2) | ||||||
テスト水 | 人工海水 5% | 人工海水 100% | 食塩水 3% | ||||
静的錆テスト | 不合格 | 合格 | 不合格 | 合格 | 不合格 | ギリギリ 不合格 |
合格 |
(ASTM D 5969) | |||||||
EMCOR 錆テスト | 3,3 | 0,0 | 4,4 | 0,0 | 4,5 | 1,2 | 0,0 |
(ASTM D 6138, IP 220) |
テスト | 添加剤無 | G-1107 1% |
添加剤無 | G-1107 3% |
G-1107 5% |
---|---|---|---|---|---|
ベースグリース | リチウム 12-ヒドロキシステアレート(NLGI Number 2) | ||||
テスト水 | 人工海水 5% | 人工海水 100% | |||
静的錆テスト(ASTM D 5969) | 不合格 | 合格 | 不合格 | 合格 | 合格 |
EMCOR 錆テスト | 3,3 | 0,0 | 4,4 | 2,2 | 0,0 |
(ASTM D 6138, IP 220) |
テスト | 添加剤無 | G-1270 1% |
添加剤無 | G-1270 3% |
---|---|---|---|---|
ベースグリース | リチウム 12-ヒドロキシステアレート(NLGI Number 2) | |||
テスト水 | 人工海水 5% | 人工海水 100% | ||
静的錆テスト (ASTM D 5969) |
不合格 | 合格 | 不合格 | 合格 |
EMCOR 錆テスト (ASTM D 6138, IP 220) |
3,3 | 0,0 | 4,4 | 2,2 |
過酷な塩水状況下でのリチウムコンプレックス、アルミニウムコンプレックス、カルシウムスルホネート、ポリウレアグリースにおける防錆作用のデータも提供しています。
K-CORR NF-200(旧KX-1048):金属不活性化剤
K-CORR NF-200は、工業用・自動車用潤滑油、グリース、防錆液用の無灰型液体金属不活性化剤です。
活性硫黄キャリアーの作用で、銅とその合金を腐蝕から守ります。
金属が油内で溶解するのを防ぐ防護膜を銅の表面に築き、溶解した銅の影響で発生する触媒酸化促進剤から油とグリースを保護します。
銅及び銅合金製部品の保護を目的に使われる、全ての潤滑油とグリースに使用することができます。
また、鉱油ベース及び合成潤滑油の両方で使うことができ、添加量は使用環境下により異なりますが、重量比0.03%から0.07%をお薦めします。
- 優れた熱安定性および加水分解安定性
- 良好な抗乳化性
- 鉱油及び合成基油における優れた溶解性
- 他の添加剤との良好な相溶性
- 低粘度
- 酸化安定性の強化
下の表は、活性硫黄の腐食作用に対するK-CORR NF-200の効果を表しています。
ASTM D 130テストで、ISO VG 32油に活性硫黄を添加すると、銅片は激しく腐食しますが、K-CORR NF-200を少量添加するだけで、活性硫黄による腐食を抑えることができます。
テスト | 添加剤無 | NF-200 0.05% |
添加剤無 | 0.05% K-CORR NF-200 |
---|---|---|---|---|
基油 | ISO VG 32* +50 ppm 硫黄 |
ISO VG 32 +50 ppm 硫黄 |
ISO VG 32 +100 ppm 硫黄 |
ISO VG 32 +100 ppm 硫黄 |
銅腐食 (ASTM D 130, DIN 51 759) |
||||
3時間、100℃ | 3a | 1a | 4a | 1b |
3時間、135℃ | 4a | 1b | 4c | 1b |
※0.3%の天然硫黄を含む溶液精製型パラフィン油
K-CORR SA-300(旧KX-1046):無灰錆止め
K-CORR SA-300は、有機酸/エステル化学的物質をベースとした無灰型防錆剤です。
R&O循環機油やHF-2油圧油において、0.03%の低添加量で充分ASTM D 665Bテストにパスすることができます。
高性能無灰型蒸気タービン油、ペーパーマシンオイル、工業用・自動車用ギヤオイル、グリース、防錆液などの配合にお薦めします。
- 無灰
- 優れた防錆
- 防食作用
- 優れた抗乳化性
- 良好な熱
- 加水分解安定性
- 高パラフィン及び合成基油における溶解性
- 低添加量で高効果
- 従来の全機能添加剤との優れた相溶性
以下の表は、K-CORR SA-300の少量添加量で既に酸化防止剤を含んでいる油に対し、優れた鋼材腐食保護を表し、さらに、銅腐食、抗乳化および回転圧力容器酸化を含む、他の性能テストに対し悪影響を示しません。
圧力容器酸化テストの回転によって示されるように無灰金属不活性化剤の少量添加は、油の耐酸化性を向上させます。
テスト | NA-LUBE AO-130 0.125% NA-LUBE AO-240 0.125% |
NA-LUBE AO-130 0.125% NA-LUBE AO-242 0.125% K-CORR SA-300 0.070% |
NA-LUBE AO-130 0.125% NA-LUBE AO-242 0.125% K-CORR SA-300 0.070% K-CORR NF-200 0.050% |
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基油 | ISO VG 46 (Group 2)※ | ||
鉄腐食 (ASTM D 665,DIN 51 585) A & B |
不合格 | 合格 | 合格 |
銅腐食 (ASTM D 130, DIN 51 759) 3時間、100℃ 3時間、135℃ |
1b1b | 1b1b | 1b1b |
抗乳化性 (ASTM D 1401, DIN 51 559) 油-水-乳化 分離時間(分) |
40-40-0 5 |
40-40-0 5 |
40-40-0 5 |
RPVOT (ASTM D 2272) 寿命(分) |
218 | 222 | 463 |
※溶液精製型 HVI油に比べ、グループ2油は元々含まれる酸化防止剤(硫黄、窒素、酸化系化合物)が精製処理で失われてしまうため、防錆が難しいとされています。今日では、グループ2及びグループ3系の基油が最も一般的です。